筆界について争いが生じた場合,筆界特定訴訟を提起して判決により筆界を確定する方法しかありませんでしたが,裁判には多大な費用と時間が掛かるほか,平穏な相隣関係を維持できない等,問題点が多く存在し,不動産登記法を改正させてこの制度が作られました。
筆界特定とは,法務局または地方法務局の筆界特定登記官が,土地の所有者等の申請に基づき,土地の筆界の現地における位置について判断を示す制度です。
判断する対象は,所有権界でないことに注意が必要です。
登記官が筆界を判断するのですが,補佐的な立場で意見する筆界調査委員が存在します。
筆界調査委員は,法務局又は地方法務局の長が,学識経験のある者を任命するのですが,筆界の確認や調査について,最も専門的な知識を有しているのは土地家屋調査士であり,ほとんどの申請案件に筆界調査委員として任命されています。
筆界特定を土地所有者等が申請することも可能ですが,筆界の専門家である土地家屋調査士に代理人となってもらう方が,申請書類作成,調査・測量等を行い,筆界調査委員や筆界特定登記官に対して,的確かつ迅速に,当該筆界に関する情報を十分に把握させることもできます。
詳しくは,法務省のホームページを参考して下さい。